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自分なりのスタイルで長く続ける
N.Tさん
| 障害部位 | 内部障害 3級 |
|---|---|
| 性別 | 女性 |
| 年齢 | 30歳 |
| 業種 | システムインテグレーター |
| 部門/職種 | システムエンジニア |
「心臓病者友の会(通称:心友会)」からのご紹介で、今回インタビューをさせていただくことになったNさんは、気さくで親しみやすく、それでいてハキハキとしていて信頼感を感じさせる、そんな雰囲気の女性です。
Nさんは、先天性の心臓機能障害を持ちながら、ハードなイメージのあるIT系の企業でシステム関連の仕事に就いています。
仕事の状況によっては夜遅くまで残業することもあるとのこと。けれども、上司や同僚とのコミュニケーションを密にとりつつ、自分ができること・請け負えることはキッチリと責任を持って成し遂げることにより、周囲との信頼関係が築かれ必要に応じた協力を得ることができています。そしてそれが“楽しく働く”ことへと繋がっているようです。
興味のあることにチャレンジしてみる!
Nさんは、文系の大学を卒業後、現在勤めるユーザー系システムインテグレーター企業に新卒で入社しました。職種は「システムエンジニア(以下SE)」。文系を卒業した方には珍しい職種ですが、当時はSEのニーズが非常に高く売り手市場状態で、文系卒や未経験の方にもチャンスがありました。
まさに就職氷河期だった当時、まずNさんは一般採用で就職活動をスタートし、不動産会社や住宅関連企業、教育・スクール関係など、事務系職種を中心に幅広く応募をしましたが、やはりなかなか厳しい状況でした。そんな中、“障害者雇用”の存在を知り、活動範囲を“障害者採用”にまで広げることにしました。
障害者採用の求人を受けてみることになった際、以前から興味を持っていたSEという職種にチャレンジしてみようと思ったとのこと。その頃は、求人情報に「文系歓迎」という文字を見ることも珍しくなかったそうで、それを目にして、「文系出身の自分にもチャンスがあるかもしれない!」と、実際にSE職に応募をしました。
「結局、就職活動は半年以上に及びました。応募は20社弱、面接まで進んだのはその半分以下・・・と、長い間苦戦し続けていたこともあり、まったく畑違いのことに挑戦する不安よりも、面接の際に感じた“会社との相性の良さ”や、充実した福利厚生に惹かれる気持ちの方が勝り、入社を決めました。」
クライアントの「ありがとう!」にジワジワと達成感を感じる!
Nさんの現在の担当は、会計システムの開発です。顧客の要望に適ったシステムをいちから作り上げる仕事が多いとのこと。それぞれのプロジェクトは何人かのチームで結成されていて、ひとつのプロジェクトが終わると次のプロジェクトに・・・という形で、都度編成されスタッフの入れ替えも生じるため、いろんな人と関わり協力しながらひとつのものを作り上げていくそうです。
「システムを完成させた時点では、その仕事を終えることに精一杯で、“達成感”を感じる余裕さえありませんが、納品後に実際に現場で使用されているお客様と話をしたり、自分が作った資料が“重宝しているヨ!”なんていう言葉をお客様にいただいたときに、ジワジワと達成感を感じます。それがこの仕事の醍醐味ですね。」とNさんは言います。
自分の身体は自分で守る。
先天性の心臓機能障害を持つNさんですが、今現在は2ヶ月に一回程度通院が必要な程度で、通院時の休暇取得以外は特別な配慮は要りません。一時期は周りの人と同じくらい月40~50時間の残業をこなしていたこともありました。
けれど、そういったハードな働き方が続き、身体が辛くなり、所属するプロジェクトから途中で抜けなくてはならなくなったこともあり、「無理をしていたらせっかくの好きな仕事も続けることができない!」ということに気付いたと言います。そういった状態を解消させるため、今では残業時間は多くても月間20時間程度を目処に自身でセーブしています。
仕事を続けるためにも、自分の身体は自分で守る・・・という考え方に基づき、健康管理センターの保健師との面談を定期的に受けている他、日頃から上司や同僚とコミュニケーションも欠かしません。何か問題やトラブルが起こると、つい「徹夜してでも解決するぞ!」という雰囲気になるのも仕方のない業種ではありますが、周囲の協力を得ながら、自分自身でやれそうだと感じられる時はやるし、難しいと思うときはほどほどの残業に留めておくなど調整をしています。
「体調面など、重めの相談は健康管理センターで聞いてもらうようにしています。現在は体調が安定してはいるものの、風邪をひいた場合などは健康な人に比べ回復までに時間がかかったりもします。そうした事情も理解してもらえるよう、ちょっとした問題や悩みなども上司や同僚の様子を伺いながら、相談に乗ってもらうようにしています。会社関連の方には話しづらいことも時々発生しますがその際は、関係の無い第三者である“心友会”の友人に相談するようにしています。」
自分の抱える問題の内容をきちんと把握し、状況・状態に応じて相談する相手を変える・・・そうした工夫も職場でうまくやっていく秘訣かもしれません。
患者会でも積極的に活動
「私が子供の頃から、親が“全国心臓病のこどもを守る会”に入っていました。私自身はしばらくの間は送られてくる会報に時々目を通すくらいでしたが、大学に進んでから積極的に参加するようになりました。今は役員にもなっているので、年に1回開かれる全国交流会にも参加したり、会報作りに携わったりもしています。こうした活動から、全国に同じ病気を持つ仲間が増え、話を聞いてもらえる相手がよりいっそう増えました。やっぱり“話すことができる”っていうのは、精神面でも非常に心強いものですよ。」
全国には、それぞれの障害や疾患ごとに、患者会やNPO・団体などが発足しています。そういった団体で、積極的に交友関係を築いたり、情報交換をするのもプラスになります。Nさんも、こうして活動の場が広がったこと、そして心強い味方が増えたことを心友会に入会したおかげだと話していました。
自分なりのスタイルで長く続ける
Nさんの勤める会社では、1年に2度程(中間・期末)個別面談があります。自己評価とそれに基づいた上司とのすりあわせを行っており、その評価が昇給額に反映されます。また、業績とは別に、人事考課もあり自己啓発やコミュニケーション能力、マネジメント能力などが評価される機会も設けられています。
こうした評価制度によって、今の自分のレベルや次の目標が明確になり、それがモチベーションに繋がっています。
「将来的には、自分にあったスタイルで長く働き続けたいと思っています。もしも“マネージャーになろう!”なんていう目標を掲げたりすると、責任と共に、“無理”が生じてしまうはず。
欲張らず、途中で息切れしてしまうような状況下ではなく、自分が最高のパフォーマンスを発揮できる範囲内で、一歩一歩確実にステップアップしていきながら“長く”勤めたいですね。」
また、可能性があるかぎり、今の業務内容に固執することなく、いろいろなことにチャレンジしてみたいそう。ただ、自分自身が“達成感”を感じるポイントである「人の役にたっているという実感のある仕事」にこだわっていきたいと言います。
「量より質」で!
「仕事柄、急なトラブルの対応などで残業が発生することもありますが、無理ができない時もあります。そうした時に、周りの方に助けてもらったり、状況・状態を理解してもらうためには、普段から自分の仕事をキッチリとこなし、信頼関係を築いておくことが何より大切だと感じています。
例えば、何かをお願いする際も、“ここまでは対応したので、ここから先をお願いします。”という頼み方をするように心がけています。
また、逆に余裕がある時には、自分から周囲の方の役に立てるよう、雑用などできる限りのことを快く引き受けるようにしています。体調などの事情で量をこなせないこともあるため、普段から“質で勝負するんだ!”という気持ちでいます。」
短い時間で、質の高い仕事をするための努力をおしまないNさんのワークスタイルは、自然と周囲を巻き込み・そして共感を得ています。
Nさんが、ハードな業界に身をおきながらも、体調も管理しつつ楽しく充実した毎日を送ることができているのは、親しみやすい彼女の人柄とこうした取り組み姿勢によるものだと言えそうです。
■Nさんが参加している「心臓病者友の会(心友会)」はこんな団体!
詳しくはHPをご覧下さい→心友会HP(外部リンク)


