働く障害者インタビュー「わたしのしごとば」

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無理しない、頑張り過ぎない


無理しない、頑張り過ぎない

小林 春美さん

障害部位 内部障害(心臓機能) 4級
性別 女性
年齢 46歳
会社名 TOHOシネマズ株式会社
所属/職種 劇場運営部 西日本統括室/一般事務

二度止まった心臓。「どうせ生きるなら一生懸命生きよう!」

小林さんは22歳の時、自転車に乗っていて交通事故に遭いました。信号無視で走ってきたトラックに跳ねられ20日間にも渡る意識不明の状態・・・医者からは「植物人間になるかもしれない」と言われたほどの、命に関わる大怪我だったそうです。怪我の治療・リハビリを終え、大変な状況を乗り越えた小林さんは、後に転職にも成功しましたが、その会社での入社時健康診断で心臓に穴が開いている事が発覚したと言います。

「37歳の時に、今度は心臓の手術をすることになりました。22歳の時の大事故、そしてその15年後の心臓手術・・・私の心臓は二度止まったのです。でも、それを乗り越えて今こうしてちゃんと動いている。だからこそ、“どうせ生きるなら一生懸命生きよう!”という気持ちが私には人一倍あると思っています。」

そんな「生きること」に対する強い思いを胸に、小林さんは仕事にも二人の子供の子育てにも意欲的に取り組み、充実した毎日を過ごしています。

任される、責任がある・・そんな仕事で得られるやりがいと誇り

ここTOHOシネマズ株式会社/西日本統括室に所属する小林さんの担当は、映画の上映時間表の作成、それを映画配給会社や広告を掲載する新聞社などへ送付する業務、各種データの集計やメール・電話応対から郵送物の受け渡し・管理などの庶務的な仕事まで。ほとんどの業務において自分の役割というものが明確なので「やり易さ」と同時に「責任感・やりがい」を感じるポジションだと言います。

「上映スケジュールの関係で業務の繁閑があり、忙しい時は本当に忙しくミスも許されませんが、任されている分やりがいも大きいです。もともと映画鑑賞が好きだったこともありますが、自分が関わった映画の番組表が載っている新聞を見るのは、これまで以上の楽しさがありますね。ちょっとした“誇り”のようなものも感じます。」

“今やるべきこと”を見出すことが夢や目標につながる

TOHOシネマズの採用面接の際には、「障害をお持ちの方にも映画を楽しんでいただける事がしたいんです!」と意欲たっぷりに熱い思いをアピールしたという小林さん。これまでの経歴を聞いても、彼女の持つ積極性・向上心・意欲を感じさせられます。

以前、病院に勤めていた時にはリハビリテーションに関わる「物療技能士」の資格を取得、自身も経験したことのあるリハビリの仕事に携わり経験を積みました。また、育児を終えて仕事への復帰を決めた時には、事務職に就けるようにとスクールに通いパソコンスキルを習得、それを活かして希望していた事務職への就業に成功しています。
また、自身の身近なところに目の不自由な方、耳の不自由な方がいた事があり、そういった方々と積極的にコミュニケーションをとりたいという思いから、手話と点字の勉強を継続していると言います。

「手話と点字のどちらも使える・・・という人はまだまだ少ないようです。両方を勉強し習得することによって、視覚障害・聴覚障害の方々へお役に立てるようになりたいですね!」

小林さんは、その時その時の自身が置かれている環境から、自分のやるべき事をしっかりと見出し、それを「意欲」に転換しています。夢や目標とは、将来に大きく掲げるばかりでなく、一生懸命生きている「現在」から少しずつ見つかっていくということもあるのだ・・・と気付かされました。

無理しない、頑張り過ぎない

精力的に仕事をこなす小林さんのもうひとつの顔は、高校生の女の子と中学生の男の子を持つお母さん。当然ながら私生活も多忙を極めています。気になる“仕事と家事の両立の秘訣”をお伺いすると、こんな答えが返ってきました。

「無理はしない、頑張りすぎない。無理をすると、どちらも続かなくなってしまいますから」

つい忘れて頑張りすぎてしまいがちな「無理はしない」を常に頭に置き、子供達からお願い事があっても「今日はこれはできへん」とはっきり言うようにしているとのこと。高校生と中学生の子供達も、お母さんの状況をわかってくれているので「無理は言わない」のだそうです。

「心臓手術後は過度な運動や重いものを持つことは避けています。お医者さんからは足がむくんだら診せに来て下さいと言われていますが、自分で無理をしないように心がけていることもあり、経過観察の通院も年に1回程度ですんでいます。寝る時は血流が悪くならないように足を高くして寝るなど、日々の体調のケアも大切にしていますよ。自分の体調を自分できちんと管理してこそ、仕事と家庭を両立させ充実した日々を送ることができるのだと思ってます。」

やさしい子供に育っている

「休みの日は中学生の息子のバレーボールの応援に家族で行きます。“やさしいお子さんに育っていますよ”と学校の先生に言われました!」と満面の笑顔で答えてくれた小林さん。

「子供達がまだ幼い頃に私が心臓の手術をして心配をかけてしまいました。でも、体調を気にしながら仕事や家事をする母親の姿をずっと見て育ってきた2人の子は、本当の“やさしさ”を持っている・・・と感じます。そんな心優しい子供たちに支えられ私は生きている・・・人は誰かに生かされて生きているんですよね。だからこそ“一生懸命生きよう!”と子供たちにもそう教えています。」

小林さんの育児についての考え方は、今までの経験があってこその、これ以上説明の必要が無い深い言葉で、説得力を感じました。

 

最後に「今の悩み・苦労話」を聞いてみると・・・

「忙しい時期には、様々なことが一気に押し寄せてきます。そんな時に、入社前は月に3~4本は観に行っていた大好きな映画を観に行く時間が無くなってしまう・・・ってことですかねぇ(笑)」

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