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できること、避けたいことをキッチリ伝え“安心”して働く
K.Tさん
| 障害部位 | 聴覚障害 2級 |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 年齢 | 38歳 |
| 業種 | 専門商社 |
| 所属/職種 | 関西支社/経理事務 |
できること、避けたいことをキッチリ伝え“安心”して働く
ご両親の愛情がタップリこもった厳しい教育を受け、学ぶということに喜びを感じるようになったKさんは、小さいころから新聞などを通し積極的に情報収集をするようにもなったと言います。順調に進学をし、大学も卒業後はプログラマーやSEとしての経験を積み、キャリアも築いてきました。
そんなふうに、一般採用での就業を続けてきたKさんが、今回、障害者採用での転職を考えた理由をこう話しています。
「それまでの職場では“障害があるとはどういうことなのか?”をなんとなくわかってはもらえていたものの、具体的に状況を説明したり、詳細を話してわかってもらう・・・といった機会が特になかったため、周囲の理解を得ることがなかなか難しかったです。そのため苦手な電話や来客応対なども“根性で頑張って!”といったふうな期待を持たれ、困ったこともありました。
やはり“根性で頑張る”にも限度があり、努力をしてもどうすることもできない・・・ということもありますから。
なので、最初から障害を持つこと、またその障害とはどういうものなのか?自分にできること・避けたいことをキッチリ伝えた上で、“自分を採用するかどうか?”を決定してもらったほうが、安心して就業できるはず・・・と判断したのです。」
そして、障害者手帳を利用しての転職に踏み切ったKさんは専門の人材紹介会社を通して、今の会社への入社が決まりました。
それまでプログラミング関係の仕事、人事総務経理など幅広い管理事務の経験を積んでいましたが、管理事務を担当していた時に経験した「経理事務」への適性を感じていたと言います。そんなKさんは現在、経理事務のポジションで活躍しています。
本人いわく、今の仕事では、以前携わっていたプログラミング関連の業務経験が役にたっているとのこと。
「一見、全くの畑違いの職種に見えますが、実は共通した部分が双方にはあります。経理という職種も、プログラミングの考え方で使うような“ロジック・論理”が必要なんです。数字上の間違いや問題点を発見したり、その正解を導いていったり・・・そういった点においては、まさに前職での経験や思考が役立っていると思っています。経理という職種は、まさに私にとって適職ですね。」
コミュニケーションとスムーズな業務進行に対する創意工夫
実務においては、新しく習得することを楽しみながら日々臨んでいるKさん。現在の職場環境にも非常に満足をしているそうです。やはり障害者採用で入社したこともあり、周囲の協力も得ることができ、やりやすい環境で仕事ができているとのこと。
例えば、電話対応に関しては基本的に担当を外してもらえている、来客応対に関しては宅急便応対の範囲に留めてもらえている、また、業務の指示など重要なことは筆談やメールをメインにしてもらっているなど・・・周りの配慮を感じていると言います。
「今はまだ、コミュニケーションに関しては、私も周りの方達もお互いに慣れている最中だと思います。筆談でのやりとりも少しずつ理解してきてくれているところ。
これからもっとお互いのコミュニケーションを充実させたいですね。例えば、社内で勉強会かサークルを開いて“手話”について学んでもらう機会を設けたいとも思っています。みなさんと手話を使っての意思疎通を図れるようになれば、ますますコミュニケーションの幅も広がりますから。
でも、今はとにかく仕事に慣れるのが先決だと思っているので、業務において必要な“報・連・相”を、いかに問題なくスムーズに行えるかを重視して、いろいろ工夫をしてみているつもりです。
一例としては・・・業務の指示をもらうための専用のメモ用紙を作って、それを使ってのやりとりをしてもらっています。これは仕事上のミスや誤解を防ぐのに非常に役に立っています。この専用のメモ用紙は、入社後にみんなで考案したオリジナルの用紙なんです。不明な点や不確かな点については、必ずその都度筆談で確認をし、きっちり把握してから仕事にかかれるようにもしています。」
他にも、業務は一覧表を作成し、それに従って作業を進めていくようにしていたり、仕事の引継ぎなどは業務マニュアルに基づいて行うようにしていたり・・・そういったKさんの積極的な姿勢は同僚や上司にもきちんと伝わっているようでした。
多くのことを知り、身につけ、自分の存在価値を高める
今の会社への入社後は、経理部門に属したこともあり、すでに2級を保有していた簿記をさらに勉強し、1級を取得したというKさん。子供のころと変わらず勉強が好きだと言います。
それだけに、「プライベートで夢中になっていることは?」の質問に対しても「勉強に夢中です。」という答えが返ってきました。
現在は、将来やキャリアアップにも役立ちそうな税理士の知識を習得中とのこと。以前少し学んだ社会保険労務士についてもまた勉強したいし、行政書士やMBA(夜間大学院)などにもチャレンジしてみたいと言います。Kさんの「プライベートで夢中になっていること」 、まさに旺盛な好奇心と向上心を感じる内容でした。
一方で、将来の夢について聞いてみると・・・
「ささやかな夢ですが、会社やプライベートでは“Kさんがいないと困るよ”と言われるような存在になりたいですね。自分の存在価値を感じながら仕事や生活ができれば幸せだと思っています。みんなで平和に楽しく生きていければ、それでいいなぁ。」
なせば成る、なさねば成らぬ何事も
「職場でも家庭でも、困難や苦労は“あると言えばある”という状況です。けれども、どんなことも基本的にはプラスに捉え“喜び”だと思うように努めています。そうすればたいして苦痛には感じないし、乗り越えた先の成長を素直に喜べるはず。
たいていのことは改善しようと前向きに取り組み方法を工夫して努力すればなんとかなるという信念を持っています!
もちろん、そういう考えでいられるのは、周りのフォローあってこそだと思いますよ。私も悩みにぶち当たることはもちろんあります。そういう時は、父親や会社の人、そして奥様に相談していますから。話を聞いてもらえる人が近くにいる・・・それはとても大切なことなのです。だから人と人とのつながり、コミュニケーションは何よりも大事にしています!
■努力しなければ何も始まらない
■どれだけ長い道でも、短い道でも、初めの一歩を踏み出さないと全く進まない。
■自分を客観的に見て自己分析をしっかりして現状に甘えない。
■なせば成る、なさねば成らぬ何事も
私は、この4つを常に頭において頑張っています。障害を持ちながら、これから就職しようとしている皆さん、新しいフィールドにチャレンジしようとしている皆さん、一緒に前に進んでいきましょう!」


