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努力は不可欠・・・未経験の業務への挑戦
田村 友一さん
| 障害部位 | 下肢障害 2級 |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 年齢 | 28歳 |
| 会社名 | グラクソ・スミスクライン株式会社 |
| 所属/職種 | 大阪支店/支店事務 |
田村さんは、先天性の病気による下肢の障害を持つ28歳。お話を聞きにオフィスを訪れると、明るい笑顔で出迎えて下さり、非常に好印象を受けました。
インタビューでおじゃました、午後3時のグラクソ・スミスクライン大阪支店は、数多く所属するMRの方達がみな営業に出ていて、非常に静か。広いフロアには田村さんと他2名の上司の方が忙しそうにしていました。
営業から支店事務へ・・・キャリアチェンジ成功の鍵とは?
田村さんのこれまでのお仕事は、カード会社でのコールセンターや、教材を販売する会社での電話でのプロモーションなど、営業系が中心でした。基本的に立ち仕事や移動の多い仕事ではなく、座ってできる業務・・・ということで内勤ではありましたが、営業という企業にとってコアな部門で活躍されていました。
そんな田村さんが転職を決意したのは2007年の秋。当時は障害者手帳を利用せず一般採用で就業していたため、どうしても無理をしてしまったり、負担が大きくなったりしていたことに長い目で見て不安を感じたこと、また20代後半に差し掛かって・・・という年齢的な節目も向かえ、新しいことにチャレンジしたいという気持ちが大きく働いたことがきっかけとなりキャリアチェンジに踏み切ったと言います。
「今回の転職には、21歳の時に取得していた障害者手帳を使うことにしました。それまでは手帳を持つこと、障害者採用で就業することに、漠然と抵抗を感じていたのですが、自分の力を試すには、働く環境をより良くする必要がある・・と前向きな考えに変わってきて、HPで見つけた“障害者専門の人材紹介”に登録をすることに決めたのです。」
キャリアチェンジ・・・と一言で言っても、それまでの経験からは自分に何ができるのか?具体的にわからず、模索しながらの転職活動だったと言います。やはり、ゆずれない条件としては「足を使わなくてすむ事務の仕事」という前提があり、それに自分の希望である、得意分野の「PCを使用する仕事」、そして営業経験で積み重ねてきた「コミュニケーション能力が必要とされる分野の仕事」といった条件をプラスして、適職探しを行いました。
グラクソ・スミスクラインは、医薬品メーカー・外資系という全く初めての業界で、田村さんが担当することになった支店事務というポジションも未経験の領域でした。そんな田村さんがこの会社に採用が決まったのは、今までの仕事に対する真面目な取り組み姿勢が採用担当者に認められ、また人事担当面接や支店長面接などを通して、田村さんの前向きな性格・明るく社交的な人柄がきちんとアピールでき、将来性が感じられたからだと、担当したコーディネーターは当時を振り返っています。
「面接では、自分が何をしたいか?はもちろんですが、何ができるのか?についても、正直に話ました。障害者の採用に関しては、採用する側にとっても事情がわかりづらい・・・といった不明確な部分も多いと思うので、今の自分がどんな仕事なら問題なくこなすことができ、逆にどういった範囲の業務はできないのか?という点に関しても、包み隠さずきっちりと伝えることが大切なのでは?と思っています。」
努力は不可欠・・・未経験の業務への挑戦
グラクソ・スミスクラインでの田村さんの仕事は、支店事務だけでなくMRの方達のアシスタント的な役割、またオフィス全体の総務的な業務まで非常に広範囲にわたっています。
「MRは外に出て医療機関を訪問するのが仕事だ!」というのが会社のスタンスで、営業経験のある田村さんもそれは良く理解できるとのこと。そのため、“安心して外に出ていられる”環境を作るというのが自分の課題であり責務だと思っているそうです。
具体的には・・・
■支店長の秘書業務(スケジュール管理、資料作成・準備、出張手配など)
■総務・人事関連の事務全般(備品の補助、宅急便管理、メールボックス管理など)
■MRのサポート業務(営業数値管理・報告、営業用資材管理、データ収集など)
「未経験の業務を多岐に渡ってこなさなければならないということについては、入社当初は正直“無理・・・”と弱気になったこともあります。
時間との勝負だったり、とにかく仕事量が多かったり・・・。何よりも業務効率がものすごく大切なんですよね。もちろん担当する支店長やMRの方達への気配りも忘れてはならない。
いかに効率よく仕事を片付け、自分を頼りにしてくれている人たちの役に立つことができるかということ、これは常に頭の中で考えながら仕事をしていますね。そうすることにより、少しずつですが余裕が出てきて、もっと広範囲の仕事をしよう、新しいことに挑戦しよう、そういう気持ちが湧いてくるんです。」
「まだ入社半年。慣れないことも多い中、多岐にわたる業務をこなすのは正直大変な点も多々あります。けれど、不慣れながらも、それらひとつひとつの業務に積極的に臨むことにより、前任者である事務担当の派遣社員の方とはちょっと違うぞ!という点をアピールできていると思っています。
また、あえて、自分の業務範囲を超えた仕事にも携わったり、周囲と積極的に密なコミュニケーションをとろうという努力も不可欠ですね。」
とにかく、前向きに、意欲的に忙しい毎日に立ち向かっている田村さんの仕事に対する意識は、障害の有無に関わらず非常に参考になるものでした。
「自分はサラリーマンではあるけど、そういう感覚だとこの仕事を続けること、この会社に残ることはできないと思っています。現状で満足することなく、自分で仕事を見つけ、それを提案し、新しい仕事もどんどん“自分の物”にしていく・・・その積み重ねにより、自分自身も成長できるはずですし、会社に必要とされる存在になると確信しています。」
存在価値を高めるためにもきちんと評価してもらう
そんな田村さんが現在仕事において目標に掲げていること、それは、具体的な数値目標ではなく定性的でこそあるものの、大阪支店の事務を全般的に自分の仕事とし、もっともっと存在価値を高めていく、会社にとって必要不可欠な人間になる、といったことなのだと言います。
「今期はコスト管理にもチャレンジしたいですね。細かいとこから切り詰める意味でも、そういった範疇まで仕事を広げたいと思っています。
この挑戦は、もちろん会社のコスト削減にも貢献することになりますが、自分自身の無駄な業務を減らしていけるというメリットもあるはずなんです。」
田村さんの業務の成果というのは、なかなか数字に表れない内容ですが、今回チャレンジする「経費の無駄を省く」といった分野においては、具体的に数値化できる内容でもあります。それは、確実に田村さんの評価にもつながるはずでしょう。
ここからが人生の本番です!
実は、学生時代には専門学校で音楽・作曲の勉強をしていたという田村さん。当時からの“音楽を仕事にする”とうい夢は、未だ大切にしているそうです。
忙しい仕事の合間にも、プライベートの時間を大切にし、作曲活動も続けているとのこと。休みの日には作曲のためのパソコンに向かいっきりになったり、またバンド仲間とスタジオにこもってレコーディングに時間を費やしたり・・・と夢中になっているそうです。
「もちろん、今の仕事は非常に充実していますし、楽しいです!でもそれも、プライベートでは大好きな音楽に触れているし、まだまだ夢もあきらめてないからこそだと思っています。こっちはこっちでいつまでも大切にしていきたいですね。」
仕事にも前向きに取り組み、プライベートでも濃い時間を過ごしている田村さんは、さらに、半年先に結婚も予定しているとのこと。
「今回の転職に成功し、安定した生活基盤を築いていけていることで、新しい家庭を持つ自信も湧いてきました!」
そう、目を輝かせて話してくださった田村さんの人生は、ここからが本番のようです。

