働く障害者インタビュー「わたしのしごとば」

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障害を持っていること・・・を、プラスの要素に変えて夢をかなえる

I.Rさん

障害部位 左上肢障害 3級
性別 男性
年齢 38歳
業種 人材派遣会社(テンプグループ)
職種 人事・総務部門/事務



生まれつき左上肢に障害を持つIさんは、今の人材派遣会社に入るまで様々な仕事をしてきたという面白い経歴の持ち主。
その仕事も多種多様で、システムエンジニア・NPO法人での引きこもりの方を引き出したり、不登校の生徒を対象にしたイベント企画から、錦鯉の養殖業など・・・。
ちょっと聞くと、一貫性の無い職種・業種での経験だと思ってしまいそうですが、実はこれにはIさんの将来の目標につながる一本の道筋がしっかりと通っているのだということが話を聞いてわかりました。

これをやりたい!そう、強く感じた仕事に挑戦する

現在の会社に入って2年半。この会社でIさんは、障害者採用と就業フォローをメインとした人事・総務の庶務購買系の仕事を担当しています。
障害者の方たちが仕事に就くための手伝いをしたいという強い希望から、障害者雇用を積極的に行っている今の会社を選びました。

「もともと興味があったカウンセリング関連の資格を取得してから不登校や引きこもりの方達の社会復帰を支援するNPO法人で仕事をしていました。本来勉強をしたり働いたりする能力も体力もあるにもかかわらず機会から遠ざかっている・・・そんな方達に学んだり労働をしたりする楽しさや意味に改めて気づいてもらう、そういう場につないでいく、非常にやりがいがありましたね。
障害を持った方達にも同じように、働く意欲があるのに、なかなかそのチャンスがつかめない方が多いということを聞き、自分の経験や、もって生まれた障害が何か役に立つかもと思い、私にもチャンスがあるならばぜひその手伝いをしたい!と、強く感じるようになったのです。」

障害を持つ自分だからこそ可能な仕事

オフィス風景

Iさんは、障害を持つ方に働くチャンスを提供する“採用”だけでなく、入社後に自分の能力を存分に発揮し、気持ち良く働けるための“フォロー”こそが大事だと言います。

「今の仕事では、カウンセリングの勉強や、NPO法人での経験が非常に役にたっています。メンタルな面で問題を抱えている方の相談にのることや、日常の中で、なるべく早く話をする必要がありそうだなとか、今なら気持ちが安定していそうだから落ち着いて話ができそうだな・・・というタイミングを感じ取って声をかけたり・・・というのは、今までの経験があるからこそだと実感しています。
また、自分でも障害を持っているからこそ、種類が違っても同じく障害を抱えている方の思考のパターンに似たものを持っているかもしれないと感じます。そうした経験・体験・感覚をもとに、一般の社員との橋渡し的な役割や障害を持っている方に対する周囲の理解を深めていくことも、自分にとって大事なミッションと捉えています。
そして、話を聞いたり、時にアドバイスしたりすることによって、不安が減り、また元気になって仕事に取り組んでいる姿を見ると、本当に嬉しく思います、それがやりがいですね。」

実は、現時点ではそうした障害者の方の採用・フォローよりも他の業務の占める割合が大きいため「まだまだ不完全燃焼です。」と語るIさん。感覚的に重要と感じても、より緊急度の高い業務を優先しなければならない場面にも出くわし、時にはもどかしさを覚えることもあるそうです。

「時々、相談に乗って欲しいのでは?という雰囲気を感じ取っても、緊急性の高い業務を優先してしまうこともあります。けれど、いざという時にはキッチリ時間を作って正面から話をする場がある・・・お互いに根底にそういう感覚がある状態はしっかり作っておきたいと思っています。」

話を聞いていて、Iさんの仕事は、まさに自身のキャリアと障害に対する知識・理解・体験があってこその職域だと感じさせられました。

障害を持っていること・・・を、プラスの要素に変えて夢をかなえる

「今の職場でさらに経験値とスキルを上げていって、将来は障害者の就業に関してのみでなく、メンタルヘルスなどの方向でも専門的な知識を身につけたいですね。幅広い意味で“障害”について、より深く関わっていきたいと思っています。
これはNPO法人で働いていた時代に感じたことなのですが、“労働の原点”って、実は“身体を動かすこと”だと思うのです。体を動かす仕事には、何かを作り上げたり生み出したり・・・という物が多く、結果が直接的であるため自分の力を再確認し存在価値を改めて実感する機会が多いのではないか?と感じます。
だから、実際に自分も“労働の原点”を経験するために、過去に錦鯉の養殖の仕事にも挑戦してみたのです。 (とはいえ12月に池に入ったりした時は、さすがにしびれましたが・・・)
障害を持つ方にも、体調や状況的に可能であるならば、そうした“労働の原点”を通して働くことの喜びややりがいを感じて欲しいですね。そういった位置から次のステップでやりたいことを見つけそれに挑んでいく・・・これは障害を持つ人に限りませんが・・・。将来的には、生産の場と今関わっているような“就業“環境とが結びつくような仕組みづくりや、それの普及をしていくのが私の夢です。」

そう語るIさんからは、自分が持っている障害までをもプラスの要素に変え、周囲の共感を得ながら夢を実現するであろう、力強さを感じました。

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