働く障害者インタビュー「わたしのしごとば」

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将来を見据えて常に勉強、常に努力

S.Jさん

障害部位 視覚障害 1級
性別 男性
年齢 25歳
業種 特例子会社(テンプグループ)
職種 リフレッシュルーム/ヘルスキーパー



企業内ヘルスキーパーとしてリフレッシュルームで勤務するSさんは、まだ入社1年目。先天性の視覚障害1級を持ちながら、「癒しのプロ」への夢を追い始めた25歳です。
「ヘルスキーパー」とは、社員・従業員の健康維持のためにマッサージを施し、身体を楽にしたり疲れをとってあげる仕事。 優しそうでふんわりとした印象のSさんは、まさに癒しを与えてくれるにふさわしい人柄です。今の仕事は天職なのではないか?と、第三者にもそう思わせる、そんな男性でした。



きっかけは“興味”。それが天職だった

オフィス風景高校を卒業して、短期大学に進み、その後マッサージの資格を取ったSさん。

「学生時代は情報処理を勉強していました。でも、自分と同じように視覚障害を持つ人たちがヘルスキーパーを目指すことが多いと知ったこともあり、パソコンや情報・通信産業についてを学びながらも実はマッサージに興味があったのです。卒業後、就職の前に学校に通ってヘルスキーパーへの道にも挑戦してみたいと思い進学しました。興味があるだけに、授業は非常に面白く、集中して知識や技術を学べ、無事マッサージの資格を取得しました。」

マッサージの資格を取るための学校に在学中、ちょうど同じタイミングに、社内でリフレッシュルームの設立準備を進めていた今の会社を紹介されインターンとして就業したそうです。
インターン就業中はとにかく真面目に技術習得に励んだSさん。努力の甲斐あって無事同社への内定を勝ち取ることに成功しました。

「インターンシップを受けたこともあり、この会社しか受験しませんでした。比較的スムーズな就職活動でしたよ!」と語るSさんですが、「1社しか受験しなかった」ということからは、インターンシップ中にシッカリと取り組んだことへのSさんの自信を感じとることができました。

マッサージの技術はもちろんサービスの技も磨きたい! 

マッサージルームもちろん職場でのSさんの仕事は“マッサージ”の施術。1年目の現在は1日に3から4人を担当しているそうです。「何人ものお客様にマッサージをしてあげるのは、キツイんじゃないですか?」という問いに・・・

「体力的には全然問題ありませんよ!逆にお客様がいなくて、いらっしゃるのを待っている時間、施術ができない時間のほうが苦痛ですね。
そんな暇な時間帯には、今まで担当したお客様の情報を自分の中で整理しています。お名前や身体の状態、治療の進捗についてなど。記憶を呼び起こして、次回お会いしたときに声とお名前が一致するよう、ふりかえりを行っています。「声とお名前の一致」というのは、ちょうどみなさんにとっての「顔と名前の一致」と同じことで、サービス業の基本ですから。
先輩達もそういったひとつひとつの積み重ねで信頼を勝ち取ってきています。私も早くお客様に、心を許して施術を受けていただけるよう、努力していなくては・・・。」

Sさんは、技術者としてだけではなく、サービス業に従事する人間としても、日々成長のための努力を惜しんでいません。(写真はSさんの職場”リフレッシュルーム”)

自分の指先から伝わってくる“やりがい”

ひとりひとりの身体の調子や状態がその時々で違うのは当然のこと。それを流れを追ってしっかりと診ていけることに、この仕事の魅力を感じるのはもちろんのこと、自分の施術によってお客様の筋肉の“コリ”がほぐれてきた瞬間が手に伝わってくる時に「ヤッター!」と喜びを感じるのだそう。
視覚障害を持つSさんの触感は鋭く、その実感もいっそう大きいようです。

「その分、お客様のコリが指先から伝わり、自分自身にも伝染しそうにもなるので、自分の身体のケアもしっかりしています。ストレッチが中心ですね。」

まだヘルスキーパーとしてのキャリアだけでなく、社会人経験も浅いといえるSさんは、周囲の様子や周りの社員がやっていることに常にアンテナを張り、様々なことを吸収していると言います。いろいろなこと吸収し自分のものにしていくためにも、何事にも挑戦する・初めての経験でもまずチャレンジしてみる・・・それをモットーにしているそう。

技術向上・プロ意識・弱点排除・・・それが成功の鍵

Sさんは、自分のことを極度な上がり症だと分析しています。今の職で必要な1対1で話をすることに対しては大丈夫なのですが、大勢を前にして話すのが非常に苦手なのだそう。今のところ仕事に直接は関わりないそうですが、それの克服も目標として掲げていると言います。

「チャンスがあれば積極的に前に出ていって、人前で話すことに慣れ、弱点を克服していきたいです。
それは、プロのマッサージ師として、様々な場で活躍でき、どこででも通用できるきっかけにもなるのでは?と思っています。どんな場面でも自信を持って堂々としていられるようになりたいんですよね。そう思うのは小さいころは障害のことも多少気になって、引っ込み思案な性格だったせいかもしれません。でも、ここまで考え方が前向きになったのは、ある意味ものすごい成長だと思っています。
将来は、ぜひ自分のお店を持ちたい・・・それが夢なので、それをかなえるためにも、技術を磨くこと、プロ意識を持ってサービスを提供していくこと、そして自分の弱点を排除することに全力で取り組んでいるところです。」

最初はほんの“興味”だったことに夢中になり、全身全霊を込めてのめりこんでいるSさんからは、すでにプロのオーラを感じ、キラキラと輝いて見えました。

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