働く障害者インタビュー「わたしのしごとば」

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プロの柔道家と仕事の両立



障害部位 視覚障害 1級
性別 男性
年齢 27歳
業種 特例子会社(テンプグループ)
職種 事務部門/事務



正面4年前、大学在学中に緑内障から視覚における障害者手帳を持った初瀬さん。学生時代には法学を学んでいたため司法試験を目指していたそう。けれども、現在は司法試験においては改めてロウスクールに通う必要が出てきた等、試験制度の変更もあり、通常でも更に2から3年かかってしまうようになってしまいました。加えて視力が弱いことによる情報収集スピードの遅さなどが足かせになると考えると、試験を受けるだけでも時間もコストもかなり費やすことになりそう・・・という判断から、障害者雇用での就職の道を選ぶことにしたそうです。

就職活動ではかなり苦戦をしたとのことで、応募した数は、なんと100社以上。その中で内定を勝ち取ったのが、今の会社サンクステンプでした。



周囲との協力体制のもと、仕事を“楽しむ”

初瀬さんの業務は、特例子会社である同社で働く、知的障害を持っている社員のジョブ管理・調整、事務請負作業や清掃業務の仕事分配やスケジューリング・人員配置等、所属する知的障害を持つスタッフ約20名のマネジメントです。

運営するカフェの接客サービスのチェックや、製作している商品の営業のための外出も頻繁にあり、日々アクティブに行動している初瀬さんですが、視覚の障害であることから、外出時には他社員に同行してもらうようにしたり、苦手分野である書類関連の仕事や、エクセルを使っての計算業務などは他スタッフに担当してもらう等、自分にとって難しい仕事を無理に担当しないようにしています。

「自分の得意分野である、接客チェック・指導や、コミュニケーション能力を要する営業・企画系の業務などを積極的にこなし、さらに能力を伸ばしていきたいですね、それが自分にとっても、会社にとっても効率的であり良い方向に進むことになると思っています。」

プロの柔道家と仕事の両立

柔道着そんな初瀬さんは、実は北京パラリンピックにも出場した柔道家。もともと柔道を行うために入社したのではないのですが、パラリンピック出場に向けて、一生懸命取り組む初瀬さんに、テンプグループが就業面・費用面で支援を行ってくれたと言います。
24歳で緑内障になり、一度は中学から続けていた柔道を中断しましたが、25歳で改めて再スタートを切ったとのこと。北京パラリンピック出場が決定するまでは土日を中心に、決定後は短時間勤務を利用しながら練習と仕事を両立させていたそうです。

「北京パラリンピック後は、マスコミ取材や地方の小学校での講演会活動など、柔道の割合がますます大きくなりましたが、自分の中では柔道も仕事もどちらも欠けがえのないものだと思っています。」

自分の得意分野を伸ばせるフィールドで活躍する

「今、仕事が非常に楽しく充実しています。自分が携わる知的障害者の方たちから得ることも多く、日々勉強させられています。彼らにとって難しいことのひとつであるコミュニケーションについては、気持ちを態度やそぶり・表情から読み取り、それを理解して、時には代弁するようにしています。それによって、みんなが活き活きと楽しく働ける・・・そんな雰囲気や環境作りも重要な役割のひとつだと思っています。」

現在は、そういった知的障害者の方たちの業種や職種の範囲を拡大し、職域がもっともっと広げられないか?と模索中なのだそう。

「周囲や設備のサポートを受けながら、他人のため・会社のため・社会のために力を尽くす。自分の苦手な分野を補ってもらい、得意分野での能力や力を発揮するのです。そういったやり方は、障害者雇用の伸びにも、障害者の職場定着率向上にもつながると考えています。」

やる気と熱意を最大限にアピールした採用面接

オフィス風景採用面接では、自分のやる気と熱意をとにかく最大限にアピールした、と言う初瀬さん。

「とにかく一生懸命、熱く自分の思いをぶちまけましたね。」

持ち前の行動力で、就職活動では100社以上書類を送ったものの、面接までたどり着いたのは3社ほど・・・そんな状況でも決してあきらめなかったそう。

「一般的にみたら、それだけで落とされることはないのではないか?と思われる書類(履歴書)だったと思う。けど、大学名と障害名だけで書類選考から落ちていたのが現状でした。悔しかった。けれど、少しでもやりたいことに近づきたい・・・そんな思いは絶対にあきらめたくありませんでした。」

初瀬さんは自分の就職活動を「まずは行動、こわがらずに積極的に動くこと、最後まであきらめずに動き続けること」。それから「チャンスは逃さず掴み取ること。」と、振り返えりました。

就職・転職活動成功の鍵は?

「障害者には、どうしても、おとなしいとか引っ込み思案だとか・・・そんなイメージがついて回ります。良い意味で、そのイメージを打ち破るつもりで面接には挑んでみてください。

それから、一般常識はしっかりと身につけて、視野を広げて!障害を言い訳にせず、積極的に社会性を身につけておいてほしいと思います。周囲だけでなく自分自身も“障害者”目線で見ている物事を、その目線を取り壊して情報量をもっと豊富に、そしてコミュニケーションをしっかりとって、その情報を周囲と共有していく・・・それは仕事をしていく上でも必要不可欠だと思っています。」

常にアンテナを張って情報を吸収する!

休みの日は友達と飲みに出かける等、圧倒的に外出することが多いという初瀬さん。上京して初めての東京タワー見物や、温泉めぐり、自分自身意識しているせいか、逆に障害を負ってからのほうが行動的になっているのだそうです。

「友達との飲みの席では、他の会社の情報を仕入れたり、世間の動向を聞いたり・・・常にアンテナをはってますね。」

「今後は、自分の得意分野であるコミュニケーション能力や対外折衝力に更に磨きをかけて、障害者の職域をもっともっと広げる仕事をしていきたいです。自分の就職活動を経て以来、ずっと感じてきたことですからね。視覚障害の方の職業における選択肢を、増やしたい、働くきっかけを作りたい、そう思っています。」

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